3月29日は、ペナンでお世話になったマレイシア科学大学のハスヌールが、ペナン島を案内してくれるといいます。
そして城北開発担当理事と庶務二課長はこの日が視察最終日です。
われわれはペナンの全貌を把握すべくペナンヒルに登り、われわれが辿った魚卵への厳しい道のりを振り返りました。
↑ペナンヒルより島の景色を眺めつつ、調査を振り返る一行。
ペナンは小さな島ですが、ホテルのある地域とは反対側には漁村や古いマレイシアの集落が残っており、変わりゆく建築の様子や、漁船が集まる港を見ることが出来ました。
しかし、ついにここでは魚卵と出会うことが出来ず、視察団のうち二人が失意のうちにマレイシアを後にしました。
↑調査続行の使命を託された代表と川崎支部長
代表と川崎支部長は、さらに数日をKLでの視察に費やすことにしました。
その夜「代表!このままでいいんですか?」と川崎支部長が私に詰め寄ります。
「ある、必ず、ある」と根拠のない返答をすることが私に出来る精一杯のことでした。
タイガーは既に大瓶が三本空いていました。
↑挫けそうになる視察団を陰ながら支えたタイガービール。
KLに戻ったわれわれ二人は、待望の長男が生まれたばかりのナジブと再会しました。
うまい具合にわれわれがペナンに行っている間に、めでたく男の子が生まれたのでした。
再会したナジブは、何しろニヤニヤと子どものことばかり考えている様子でしたが、思いついたように「ペナンに魚卵はあったか?」と聞いてきました。
不意に核心をつかれた私達はたじろぎながら「No!」と答えたのです。
するとナジブが「心当たりがあるから、そこに行こう」と言い始めました。
KLにあるペナン料理のお店です。外はマレシア特有の驚くほど激しい雨になってきましたが「よし、行こう!」とわれわれは祈るようにナジブに従いました。
店は大きな屋台のようなところです。
長粒米のナシを注文し、慣れた感じで何かの揚げ物を選んでいると奇妙な揚げ物を発見しました。
外見はなんだか判りませんでしたが「これは何だ」と店員に聞くと「フィッシュ・エッグ」だと言っています。
耳を疑いました。確かに「魚卵」という意味です。
それは、あっけなく、唐突にわれわれの前に現れました。
しかもペナンでは見つけられなかったのに、ここはKLのペナン料理の屋台です。
見た目は他の揚げ物と変わりなく、正直に言って味もどうということはありませんでしたが、われわれはただ、感動していました。
しかし、そもそも魚卵を揚げるという発想が間違っています。
とにかくこれがその証拠写真となりました。
↑ついに発見した魚卵を見つめる代表
↑わかり難いですが魚卵です。
不意をつかれた代表と川崎支部長です。
われわれの長い旅は終わりました。
その夜、ホテル横のセブンイレブンでタイガーを買い込み、祝杯を挙げたことは言うまでもありません。
今回の旅は無駄ではなかった。しかし、マレイシアでの魚卵は、食材としてはあまりにもマイナーでした。
魚卵、それは小さいけれども、僕らに諦めないことの大切さを教えてくれた。
ありがとう!魚卵! ありがとう!マレイシア!