総務二課の柳田も、東北生まれながら九州男児の夫と一緒になり、様々なカルチャーショックを体験してきました。特に最初の頃、帰省で旦那の実家を訪れる時は、緊張の連続でした。
義父母との会話で特に緊張したのが、「晶子さんは○○しきりますか?」「晶子さん、○○しきりきると?」という問いかけです。
「しきる」とは「できる」の意味で、「しきりきる」とは「完璧にできる」という意味だと主人に教えられた柳田は、その言葉を耳にする度に「今はキルだったかな?キリキルって言ってたかな?」と頭の中で整理しながら慎重に答えを考えます。
もし「しきりきるか?」という質問に、うっかり「はい」と答えてしまったら、随分自信満々な嫁だと思われてしまいます。しかし「しきる?」という問には、場合によっては「はい」とか「まあまあです」と答えないと、能無し嫁だと思われてしまいます。
地元の人には何を緊張しているんだと笑われそうなことなのですが、よそ者にはとっさに識別するのが難しい言葉が「きる」&「きりきる」です。